ロータス・カルテット@上大岡・ひまわりの郷 2010.10.11
ロータス・カルテットはこのコンサートで初めて知りましたが、日本人女性4人で当初結成されたシュトゥットガルト在住の弦楽四重奏団です。メロス弦楽四重奏団に師事していたそうです。現在、第2ヴァイオリンだけはドイツ人?男性に交代しています。結成が1992年ですから、18年のキャリアですね。
メロス弦楽四重奏団と聞くと、saraiはシューベルトを連想してしまいます。直接、実演に接したことはありませんが、シューベルトの全集のCDは素晴らしい演奏です。
今日のコンサートでもシューベルトがプログラムにはいっているので、それが楽しみでした。
で、実際、それはそれは素晴らしいシューベルトの演奏でした。そのロマンの香りにうっとりとしたコンサートで、大満足。
今回の来日公演は今日も含めて、たった3回。もったいないですね。残りの2回は札幌と名古屋でシューマンの弦楽四重奏曲全曲演奏会。シューマンもいいですが、シューベルトが聴きたかったので、今日のコンサートで幸運でした。
さて、今日のプログラムは以下。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番
ドビュッシー:弦楽四重奏曲
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
なかなかよいプログラムですが、ドビュッシーというのが異色ですね。
で、予習したCDは以下。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番
アルバン・ベルク弦楽四重奏団
最近のCDではお馴染みのCDです。安心して聴けるモーツァルトです。
ドビュッシー:弦楽四重奏曲
アルバン・ベルク弦楽四重奏団
これも定評あるCDではありますが、ドビュッシーの本質はなかなか分かりづらいですね。
シューベルト:弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
メロス弦楽四重奏団
もちろん、これはこのメロス弦楽四重奏団で聴かないといけないでしょう。ロマンの香り高い清新な演奏で名盤です。
まず、コンサートはモーツァルトからです。この曲はハイドン・セットの1曲目でモーツァルトの弦楽四重奏曲はこの曲以降が有名です。実際、saraiもこの曲以降の弦楽四重奏曲しか聴いたことがありません。
どんな演奏かを期待していると、最初の第1音から、モーツァルトの響きです。
流麗で爽やかというよりも、ドイツ的な分厚い響きですが、紛れもなくモーツァルトの響きです。最後まで気持ちよく聴けました。
出だしとしては上々です。
次はドビュッシーです。これは正直、面食らいました。まさにドイツ的な重厚な分厚い響きのドビュッシーです。これは本当にあのドビュッシーの曲かと疑うばかり。誤解のないように言うと、決して悪い演奏というわけではありません。もし、ドビュッシーがドイツ人かオーストリア人だとすれば、素晴らしい演奏でしょう。ただ、saraiの先入観でこの曲はもっとフランス的なエスプリのある曲だと思っていたので違和感があっただけかも知れません。
しかしながら、第3楽章にはいると、様相ががらっと変わります。ここからは非常に繊細な演奏になり、非常にデリケートで美しい演奏に変わります。それまでの男性的で力強いスタイルから変わったわけではありませんが、この楽章の性格から音の響きが違って聴こえてきます。こんな素晴らしいドビュッシーは聴いたことがありません。
結局、第4楽章では元に戻って、また違和感を感じましたが、この第3楽章を聴けるのであれば、こういうスタイルの演奏も悪くありませんね。
最後はいよいよお目当てのシューベルトです。
第1楽章で第2ヴァイオリンのうねるような分散和音に続き、第1ヴァイオリンが第1主題のメロディーを奏で始めます。なんとロマンの香りの高い響きでしょう。
シューベルトって、最初はなにか不器用な感じで取っつき難い印象がありますが、いったん、その世界にはいるとそのロマンチックな感傷にはまってしまいます。この第1主題のメロディーも一瞬聴いただけで感傷的になってしまいます。
シューベルトのよい演奏はみなそう感じますが、今日の演奏もその典型で、素晴らしい演奏です。第1楽章は繰り返し繰り返し、この第1主題でうるうるになります。
第2楽章は有名なロザムンデの主題の楽章で、これは楽しい名曲って感じで、なかなかいいです。
第4楽章まで大満足の演奏で、大いに拍手を送りました。
できれば、このロータス・カルテットの演奏で「死と乙女」も聴きたいものです。
久々の弦楽四重奏団のコンサートでしたが、やはり、室内楽もいいですね。
また、室内楽も聴きましょう。
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