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ネトレプコ最高!ロイヤル・オペラ「マノン」@東京文化会館 2010.9.17

昨日に引き続き、今日もロイヤル・オペラ。
いよいよ待ちに待ったネトレプコの《マノン》です。

期待通り、いや、それ以上の感動のオペラ公演でした。これだから、オペラはやめられない。
まずはネトレプコが素晴らしい出来でした。《マノン》はまさに彼女のためにあるようなオペラです。
ロイヤル・オペラのプロダクションも素晴らしい。お洒落なセット、美しい衣装、どこをとっても不足なし。
パッパーノの指揮も切れがよく、それに応えたロイヤル・オペラハウス管弦楽団の演奏も美しく立派。
パッパーノは今後世界のオペラ界の頂点に上りつめる予感もします。

今回の公演に備えて予習したのは以下。

 マスネ:歌劇「マノン」
  マノン・レスコー:ネトレプコ
  デ・グリュー:ビリャソン
  伯爵デ・グリュー:フィッシェッサー
  レスコー:ダザ
  ギヨー・ド・モルフォンテーヌ:コラッツァ
  ブレティニー:カターヤ
  プセット:アラッター
  ジャヴォット:ジェームズ
  ロゼット:デ・ラ・ムエラ
  宿屋の主人:ヴィーヴェグ
  指揮:バレンボイム
  演出:パターソン
  ベルリン国立歌劇場管弦楽団
   ネトレプコとビリャソンのゴールデンコンビがすべてです。
   特にサン・シュルピス教会以降の盛り上がりが素晴らしい。

今回のキャスト・スタッフは以下。

  マノン・レスコー:ネトレプコ
  デ・グリュー:ポレンザーニ
  伯爵デ・グリュー:クルシャル
  レスコー:ブラウン
  ギヨー・ド・モルフォンテーヌ:モルターニュ
  ブレティニー:シメル
  プセット:ミハイ
  ジャヴォット:イネス
  ロゼット:リューテル
  宿屋の主人:ブラック
  指揮:パッパーノ
  演出:ペリー
  ロイヤル・オペラ合唱団
  ロイヤル・オペラハウス管弦楽団

まず、第1幕。
パッパーノはオーケストラを自在にドライブし、めりはりの効いた歯切れのいい演奏で盛り立てます。
ネトレプコは最初から存在感充分。
確かに太っていますが、そんなことは音楽では問題ではありません。
いつもに比べて、最初から、よく声も出ており、舞台も彼女の登場で華やぎます。
いくつかのアリアも彼女なら当然の高いレベル。

第2幕。
むき出しの階段の上にむき出しのマノンとデ・グリューの寝室。
お洒落ですねー・・・
有名な「さようなら、小さなテーブル」のアリアはネトレプコなら、もっと美しく歌ってほしかったところ。

第3幕。
第1場から、いよいよネトレプコの美しい声の純度が上がってきて、聴いているこちらも気持ちが高揚していきます。
ネトレプコ、絶好調です。
第2場のサン・シュルピス教会での2人の愛の2重唱の素晴らしいこと。フィナーレではsaraiは感動また感動!!!
ネトレプコの美声に酔いしれます。

第4幕。
ネトレプコの好調さは続きます。

第5幕。
これは泣けます。
静かに息をひそめて、ただただ、ネトレプコの絶唱を聴きいるばかり。
フィナーレで深く感動しました。

やはり、ネトレプコは世界最高のソプラノ。
その実力を堪能した1夜になりました。

相手役のポレンザーニは7月のトリノ歌劇場でのアルフレードでは重量感に欠けましたが、この日はデ・グリューの軽さ・真摯さというところがぴったりでした。
ネトレプコという太陽のような存在に触発された部分を大きいと思います。

全体の音楽を作り上げたパッパーノの存在の大きさも特筆するべきでしょう。

saraiの今年聴いた一番のオペラになるでしょう。
大満足のオペラでした。

それにしても、昨日とは打って変わった出来。一人の歌手の存在の大きさですね。



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この記事へのコメント

1, zuikouさん 2010/09/18 10:57
こんにちは

確かに、素晴らしいものでしたね。
個人的にはパッパーノは「マノン」の方が努力しているのがわかったせいか、良かったと思いました。

トリノのノセダも私はこれから伸びていく指揮者だと思います。

トリノの感想も読ませていただきましたが、
個人的にはトリノのオペラは大好きでした。「ラ・ボエーム」での
あの森さんの楽しそうな顔、忘れられません。あんなの、ほかでは見られません。笑い

しかし「マノン」私も書きましたが、あの演奏、あの出来でお客様のテンション低くはなかったではないですか?

2, saraiさん 2010/09/18 22:33
zuikouさん、またまたコメントありがとうございます。

《マノン》のブログ読ませていただきました。
的確な表現、素晴らしいですね。
私と同じように《マノン》に感動されて、嬉しく思いました。

さて、観客の反応ですが、色々と思いもありますが、人それぞれ、感じ方も違うので、基本的に仕方のないことですね。
ただ、ウィーンやベルリンだと、まったく違う反応でしょうね。

これからも同好の士として、よろしくお付き合い願います。

3, zuikouさん 2010/09/19 10:08
こんにちは

 また、たまにお邪魔しますので、
海外の話とかお聞かせください。

今回あまりにも、ロイヤルオペラを馬鹿にしたコメントを目にしたので、まともな評価をした投稿をさがしてここにたどり着きました。

今後ともよろしくお願いいたします。

4, saraiさん 2010/09/21 00:27
zuikouさん、たびたびのコメントありがとうございます。

海外ネタは音楽関係は出し尽くし、現在、7月のヨーロッパ旅行の詳細編がしばらく続きます。

ロイヤルオペラはさすがでしたね。「椿姫」はヴィオレッタが問題でしたが、最初から分かっていたこと。仕方ないです。

こちらこそ、よろしくお願いします。
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ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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