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「ラ・ボエーム」トリノ王立歌劇場@文化会館 2010.7.28

スイス・オーストリアの旅から帰国し、1週間。

帰国直後から、3日間猛勉強し、日曜に電気工事士2級の試験を受け(まあまあの出来でした。大丈夫だと思いますが、結果はさてどうでしょう?)、その次の日から、上京した母と勝浦に1泊2日のドライブ旅行。

翌日から、来日したトリノ王立歌劇場の「ラ・ボエーム」と「椿姫」とばたばたした日程だったのと、時差ボケか旅行疲れか判然としませんが、特に夕方になると異常な眠気に襲われ、なんだか、落ち着かない毎日でした。

昨日、母を空港で見送り、今日はやっと余裕の1日。
リタイア後、ようやく、リタイアした実感がありますが、といっても、今日は土曜日。リタイアしてなくても休日なんですね。

ということで、やっと、3日前のトリノ王立歌劇場のプッチーニ「ラ・ボエーム」についての記事を書けます。

ミュンヘンの「フィガロの結婚」で聴いたばかりのバルバラ・フリットリをまた聴ける喜びで一杯でしたが、何せ、おかしな体調で、頭が茫然とした状態で夢の中で聴いたようなフリットリのミミでした。

さて、まずは予習ですが、このオペラはさすがに予習不要。というか、頭のなかにしっかりとミレッラ・フレーニのミミが住み着いています。生オペラで3回も聴いたし、ビデオやCDでも飽きるほど聴きました。
もっとも、もう生では聴けませんが・・・
もともと、フレーニのミミを聴くためにオペラにのめり込んだようなsaraiです。
ですから、飽きるほど聴いたといっても、今でも、ビデオ・CDで第1幕の愛の2重唱でフレーニの透き通った高音がテノールの声に重なってくるところでは、もう、うるうるになってしまいます。まるで、パブロフの犬ですね。
ということで、予習して感動にひたるのもよかったのですが、暇がなかったのと、またまた、フレーニのイメージが強くなりすぎるのもどうかと思ったので、予習を回避したわけです。
もちろん、フレーニ以外で聴く気はしないし・・・
(ネトレプコのミミだって、やっぱり、受け付けられませんでしたからね)

今回は大好きなフリットリが、既にフレーニで封印した「ラ・ボエーム」をどこまでこじ開けて、新たな見方を提供してくれるか、それだけが関心事だったわけです。

さて、今回のキャストは以下。

 トリノ王立歌劇場(管弦楽団・合唱団)、杉並児童合唱団
 指揮:ジャナンドレア・ノセダ
 演出:ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ
 ミミ:バルバラ・フリットリ
 ロドルフォ:マルセロ・アルバレス
 ムゼッタ:森麻季
 マルチェッロ:ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ
 ショナール:ナターレ・デ・カローリス
 コッリーネ:ニコラ・ウリヴィエーリ
 ベノワ/アルチンドーロ:マッテオ・ペイローネ

さて、いよいよ、第1幕です。
意外に?オーケストラはよく鳴っています。
指揮のノセダもおおきなてぶりで振っています。振りすぎくらいですが、オーケストラや歌手には分かりやすいかも知れませんね。ウィーンなんかでは、みんな自律的に合わせてしまうかもしれませんが、普通のオペラハウスはこれくらいクリアな棒さばきも必要かもしれません。
耳になじんだ旋律が流れ、もうプッチーニの世界です。
このあたりの雰囲気はなかなかいいですね。
最初登場するロドルフォとマルチェッロ。声量はもう一つですが、表現は上々。
ショナールとコッリーネも登場し、だんだんと雰囲気は盛り上がってきます。
べノワの登場も終わり、ステージには、ロドルフォだけ。

遂にフリットリ扮するミミの登場。地味な衣装をまとっていますが、なかなか美しい。最初の2人のやりとりでは、フリットリらしく、抑えた表現。
まずはアルバレスのアリアです。
なかなかリリックな歌声で好感が持てます。残念ながら、一番高音を張り上げる聴かせどころは空振り。まあ、仕方ないですね。今まで、生で満足した経験はないし、ビデオ・CDでも、満足したのは、パヴァロッティとライモンディだけ。

で、次にいよいよ「私の名はミミ」・・・
いつも最初は抑え気味なフリットリですが、ここは結構声が出ています。
うん、なかなかいい・・・!
でも、アリアの後半、もっと、声を響かせてほしかった。
まあまあの出だしでした。
1幕目いきなりのアリアはなかなか難しいですね。

第2幕はムゼッタに注目です。
ムゼッタは森麻季。ドレスデンの「薔薇の騎士」のソフィーでもなかなかの好演でしたので、期待できますが、ムゼッタは声量が必要なので、どうでしょう。
で、「ムゼッタのワルツ」は声量もあり、よい歌唱でした。森麻季はいいオペラ歌手になりましたね。これは今回の収穫でした。

第3幕、ここからが本当の聴かせどころ。
「ミミの別れ」、フリットリも全開モード。
いつもの素晴らしく透明な声です。
それに何といっても、この幕のフリットリはとても美しい。フリットリって、こんなに奇麗だったんだろうか・・・・
で、だんだん朦朧としてきた頭のなかでフリットリの声だけが響きます。
フリットリのミミはこのあたりになってくると、聖女ミミって感じで聴こえます。まさに清純無垢。
表現上、それがいいのかどうかは問題ではなく、これがフリットリの世界。
満足です。
結果的にこの幕が一番よかった。

第4幕、死にゆくミミ。
フリットリは表現上、その状況に合わせて、かなり抑えた歌唱でした。
でも、saraiとしては、状況は無視しても、もっと歌いあげてほしかった。
まあ、悪くはありませんでしたが、若干、オペラを聴く立場としては欲求不満気味。
それでも、ミミの死はロドルフォだけでなく、saraiも悲しかった。
悲しい感動で幕。

期待したフリットリのミミでしたが、期待以上だったかと言われると、そこまでではありません。
ですが、フレーニ以外のミミでは、ここまで歌えた人はいなかったのも事実。
まあ、やはり、「ラ・ボエーム」はフレーニで封印ということに相成りましたが、フリットリだからこそ、ここまで歌えたなとも思いました。
頭がかなりふらふらしながら聴いていたので、それも残念でした。もしかしたら、フリットリはもっと良かったかもしれません。聴く側のsaraiの問題も大きかったのは事実です。
オペラは長い緊張状態を強いられるので、体調管理が大事です。

来年のMETの来日公演では超豪華キャストで「ドン・カルロ」。また、フリットリはそのときに聴きなおしましょう。エリザベッタをフリットリ以上に歌える人はいないのだから、これは期待しても期待を裏切られることはないでしょう。
十分に体調を整えて、臨むことにします。



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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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