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マーラー「巨人」 by チョン・ミョンフン&東フィル@オーチャードホール 2010.1.31

今日は東京フィルのオーチャードホール定期。

今年度最後のチョン・ミョンフン指揮ですが、来年度からは彼はほとんど東フィルを振らなくなるので、ある意味、親密な関係にあったチョン・ミョンフン&東フィルの最終コンサートとも言えますね。
前回のサントリーホールで行われたブラームス・チクルスの2回目が素晴らしかったので、saraiも既に満足し、本日のコンサートには正直、多大な期待は抱いていませんでした。

チョン・ミョンフンが離れることもあり、東フィルのコンサートは次回、3月の定期を最後にし、saraiは来年度からは東京都交響楽団のサントリーホール定期会員に移動することにしました。インバルのマーラー、ブルックナーをじっくりと聴くことにしたわけです。

で、ともあれ、今回がサヨナラコンサートの気分で、気持ちよく、終わりたいなあと思っていました。

本日のプログラムは以下。

 モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
  ピアノ:キム・ソヌク
 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」

まずはモーツァルト。ピアノは初めて聴く韓国の若手ピアニスト。
力みない軽いモーツァルトで好感の持てる演奏です。
インパクトがないと言えば、その通りですが、妙に力のはいった演奏よりはずっといいです。
まあ、ピアニストの評価としては、この曲だけでは何とも言えませんね。
アンコールは
 シューベルト:即興曲Op.90-2
これは特に高音部の粒立ちのよいタッチの流麗な演奏で、演奏スタイルが新鮮に感じられ、とてもよい演奏でした。
少し、線が細く、ダイナミックさには欠けるものの、演奏する曲を絞り、小ホールで聴けば、とてもよいかも知れません。シューマン、シューベルトあたりを中心に置いたプログラムなどはよさそうです。
今後に期待したいピアニストです。
東フィルですが、この曲では、もう少し、クラリネットの存在感を打ち出してもらいたいところでした。

さて、休憩後は本日のメインディッシュじゃなくて、メインプログラムのマーラーです。
久々にマーラーに感動しました。
「巨人」はマーラーの交響曲のなかでは、あまりお好みの曲ではないのですが、この日の演奏はCD、コンサートを通じても、最高の演奏でした。
「巨人」という曲がこんなに素晴らしいとは、saraiの認識不足でした。
なんといっても、チョン・ミョンフンの指揮、曲作りがとても立派。
彼のマーラーがこんなにいいとも思ってもみませんでした。
まず、最弱音で曲が始まった途端、即、saraiの周波数とピタリと一致。幾分、遅めのテンポですが、実に内省的な演奏です。この弦楽器のハーモニクスの部分の表現が実によい。一転して、主要主題が始まると、テンポは一般的なテンポになりますが、先ほどの遅めのテンポとの対比がきいて、きびきびと聴こえます。そして、アインザッツがぴたりと決まり、今日のアンサンブルは素晴らしい。ずいぶん、練り上げられた演奏です。第1楽章は一気に終わります。ここで拍手したいくらい、素晴らしい。
第2楽章のスケルツォは、低音弦の素晴らしい音色で始まり、中間部を経て、輝かしく終わります。素晴らしい演奏が持続します。
第3楽章の葬送行進曲は静かに終わり、すぐに第4楽章に突入。
この輝かしい楽章はいつもは派手派手しく感じ、もうひとつ好きになれませんでしたが、この日の演奏はまったく別物。
まったく感動的です。アインザッツもぴたりぴたり決まり、もう、マーラーの世界に没入。どこがどうとかではなく、すべてが素晴らしい。思わず、saraiも手も握り締め、力が入ります。最後の金管奏者が立ち上がるところからはもうなんだか頭が混乱するくらい、分けが分からない状態。
そして、最後のじゃ、じゃん。ブラヴォー!!!

これまで聴いたチョン・ミョンフンの最高の演奏でした。
そして、しばらく、さようなら、チョン・ミョンフン・・・

決して、ウィーン風とは思えない演奏。日本人のオーケストラ。韓国人の指揮者。ウィーン・フィルだったら、きっと超絶に美しいウィーン風の演奏をするかも知れませんが、この日の彼らの「巨人」も最高に素晴らしい「巨人」でした。



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ジャンル : 音楽

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Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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