FC2ブログ
 
  

ウィーン・リング・アンサンブル@サントリーホール 2010..1.6

3日のみなとみらいホールでのニューイヤーコンサートに続き、今度はサントリーホールのニューイヤーコンサート。

いやあ、サントリーホールがウィーンと化したかのようでした。
バーンスタインではないですが、
「これはあなたがたの音楽です」って感じで、
まさに自在で闊達な演奏が繰り広げられました。

演奏はウィーン・リング・アンサンブルです。前にも聴いたことがあり、その素晴らしい響きが忘れられませんでした。この団体はウィーン・フィルのトップ奏者で編成されており、素晴らしいのも当り前です。コンサートマスターはウィーン・フィルの第1コンサートマスターのライナー・キュッヒル。20年近く前にひょんなことで、ウィーンのお宅でお茶をいただいたことがあり、いつも気になる存在です。実は彼はsaraiと同い年でもあります。彼が活躍しているのを見ているとsaraiもまだまだ頑張らねばとは思いますが、こちらは一音楽愛好家でまあ音楽を楽しめばいいだけで気楽な立場で、それもいいかな・・・
他のメンバーは

エクハルト・ザイフェルト (ヴァイオリン)
ハインリヒ・コル (ヴィオラ)
ゲアハルト・イーベラー (チェロ)
アロイス・ポッシュ (コントラバス)
ヴォルフガング・シュルツ (フルート)
ペーター・シュミードル (クラリネット)
ヨハン・ヒントラー (クラリネット)
ギュンター・ヘーグナー (ホルン)

まあ、いずれも名人揃いですね。
特にフルートのシュルツの素晴らしい響きと彼のお茶目ぶりが最高でした。
もちろん、クラリネットのシュミードルのいぶし銀の音色も健在。
これにキュッヒルさんのヴァイオリンの美しい音色が加わるのですから、文句ない素晴らしさ。それにしてもキュッヒルさんのヴァイオリンの音色はウィーン・フィルの響きと同じであることを再認識しました。
1人でもウィーン・フィル、100人でもウィーン・フィルって感じです。
それにしても、ウィーン・フィルのフルオーケストラでもいつも一糸乱れず当意即妙という演奏ですが、そこからトッププレーヤー9人で編成したアンサンブルはテンポの変化、強弱、リズム、すべてが完璧に機能し、それでいながら、決してメカニカルではなく、自然な音楽に仕立てあがっているという音楽の究極の形を体現していました。

まあ、演奏曲目がブラームスとかマーラーのような、いわばメインディッシュではなく、ウィンナーワルツとかオペレッタといった、いわばデザートメニューのようなものでしたから、真摯な音楽に向き合うというよりもサブカルチャー的な音楽をエンターテインメント的に楽しむというスタイルではありましたが、それだけに彼らの音楽文化の底深さを見せつけられたといっても過言ではありませんでした。

当日の演奏曲目は以下の内容でした。

J.シュトラウスⅡ:オペレッタ『ジプシー男爵』序曲
        :ワルツ「レモンの花咲くところ」
        :エジプト行進曲
ショパン:夜想曲Op.27-2~「小犬のワルツ」(編曲版)
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーン気質」 op.354
        :ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳!」 op.332
        :オペレッタ『ヴェネツィアの一夜』序曲
        :ワルツ「ウィーンの森の物語」 op.325
        :トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214
ランナー:マリアのワルツ
レハール:オペレッタ『メリー・ウィドウ』から
          「唇は黙していても」~ワルツ・メドレー
          「女の研究はむずかしい」

で、アンコールはもちろん、

J.シュトラウスⅡ:ポルカ「狩り」
        :ワルツ「美しき青きドナウ」
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲

最初の『ジプシー男爵』序曲でいきなり、ウィーンに連れ込まれ、次の「レモンの花咲くところ」では陶然としてしまい、それなりに長いこの曲がいつまでも鳴り響いてほしいと感じるほどです。エジプト行進曲で我に返り、元気な曲で覚醒。ここで小休止。

次は今年がショパン年なので、珍しいショパンの編曲版の演奏。まるでウィーンにやってきたショパンっていう感じです。ショパンもパリではなく、ウィーンに居れば、きっとこんな風な作風になったのかなあと妙な思いが脳裏を横切ります。それにしても、キュッヒル、シュルツ、シュミードルの掛け合いが素晴らしい!
次はいよいよ「ウィーン気質」です。この曲が一番、ウィーンを感じさせられ、我が愛するウィーンを想起してしまいます。R・シュトラウスの「ばらの騎士」の楽想にも使われていますよね。まあ、うっとりとして聴き入ってしまいます。次の「ハンガリー万歳!」をテンポよく演奏したところで休憩です。

休憩後は『ヴェネツィアの一夜』です。あまり聴きなれない曲ですが、流石の演奏。じっくりと聴き入ってしまいます。次はお馴染み、「ウィーンの森の物語」。何もいうことなし。ただただ、キュッヒルさんのヴァイオリンの素晴らしいこと!! 次はやはりお馴染み「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を颯爽と演奏。次のランナーの曲はヴァイオリン2、ヴィオラ、コントラバスの弦4人だけでしっとりとロマンチックに演奏。こんな綺麗な曲があったんですね。
で、最後は『メリー・ウィドウ』です。いずれも耳慣れたメロディーが続き、うきうきです。残念だったのは、「女、女、女」で終わったのにリフレインがなかったこと。この曲でリフレインを最低1回はやってほしかった。若干、欲求不満です。次は頼みますよ、キュッヒルさん!

アンコールはお馴染みの3曲。「美しき青きドナウ」はやはり素晴らしい。これぞ、ウィーンっていう曲を、これぞウィーンっていうアンサンブルが演奏する。文句なしです。
ラデツキー行進曲はサントリーホールの聴衆の自主的?な手拍子が見事だった。演奏者からのキューのない手拍子でも一糸乱れず。これは聴衆に脱帽。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも、昔のウィリー・ボスコフスキーの時代には、やはり、聴衆の自主的な手拍子だったらしい。本場も昔に戻したら?

これでsaraiのお正月もおしまい。もちろん、既に仕事は始めていますが、気分的にってことです。

なお、当日のサントリーホールのチラシで11月に内田光子がクリーブランド管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏することを知りました。なんとしても聴きたいものです。指揮はなんとウェルザー・メストだということ。

ところで、後でよく調べてみたら、R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



この記事へのコメント

1, saraiさん 2010/01/08 17:51
自己レスです。
R・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツの楽想のもとになっているのはこの「ウィーン気質」ではなく、ヨハン・シュトラウス2世の弟ヨ-ゼフ・シュトラウスのワルツ『ディナミーデン』のようです。実は聴いたことがないので、一度、聴いてみたいものです。
でも、「ウィーン気質」も似ているなあ(・・・しつこい)。
関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       キュッヒル,

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR