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デュフィ展@Bunkamuraザ・ミュージアム 2014.7.21

今年3月に見たシャヴァンヌ展でデュフィ展の早割チケットを購入しておきました。当日券が1500円/一人のところ、2人分が2200円というお得なチケットでした。その後、長期のヨーロッパ遠征中にデュフィ展が始まり、帰国後も何かと忙しく、あっと気が付いてみれば、デュフィ展の会期ももう1週間を切っていました。慌てて、サントリーホールでのインバル+都響のマーラー交響曲第10番の感動を引きづりながらも、渋谷に向かいました。
夕方の4時過ぎでしたが、休日のせいか、デュフィ展はたくさんの人で賑わっていました。

デュフィと言えば、色んな美術館でよく見ることはありましたが、いずれも1点か2点ほど。あまり、まとまって見た覚えはありません。以前、パリの市立美術館やポンピドゥー・センターではまとまって見たのかも知れませんが、ずい分、昔のことで、《電気の精》を見た記憶くらいしかありません。
デュフィの作品の印象は色彩が豊かで、お洒落な構図という感じ。強いインパクトはないものの美的感覚をくすぐられるという雰囲気です。今回はまとまって見ることで、彼の美の本質に迫ることができるでしょうか。

今回のデュフィ展は作品がほぼ作成年代順に並べられていました。若い頃の作品はどう見てもデュフィには思えない作品ばかり。色調も暗く、写実的です。次第に印象派的な傾向になりますが、デュフィらしさはその片鱗もありません。
初めに変化が現れるのは、マティスの影響を受けたときです。以来、彼の作品には、どこかしら、マティスの雰囲気がずっとあらわれ続けます。また、青騎士を思わせる作品も現れますが、これは長続きはしないようです。

これが典型的な作品です。《ニースの窓辺》です。1928年の作品で島根県立美術館所蔵です。決定的にデュフィらしさが感じられるのは全体の色調が青に統一されていることです。青はデュフィが得意にしていた色だそうです。また、構図が縦長の3枚の絵を並べたようになっているのも、その後のデュフィの作品に現れる特徴の一つです。


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その後、セザンヌの影響を受けます。立体を面で構成するような描き方です。面は色彩のべた塗りのような描き方です。デュフィはこれをセザンヌとは違う方向に拡張していきます。画面をいくつかの色彩で分割していくような構成です。この方向でデュフィの絵画は完成します。

これは《馬に乗ったケスラー一家》です。1932年の作品でロンドン・テート美術館所蔵です。これって、一種の集団肖像画ですが、レンブラントなどとは何と方向性が違うことか。これもデュフィ得意の青が色調のベースになっています。輪郭線は明確に描かれていますが、色彩はその輪郭線をはみ出すような勢いです。この後に描かれる絵画はこの傾向が一層顕著になっていきます。


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この頃、デュフィは既に55歳です。これでデュフィの画風が確立します。良くも悪しくも、これがデュフィです。その後、大きな画風の変化はありません。絵のモティーフが変わっていくだけだと思えます。その後のモティーフの一つが音楽です。モーツァルト、ドビュッシーなどを作品化しています。

これは《クロード・ドビュッシーへのオマージュ》です。1952年の作品でアンドレ・マルロー近代美術館所蔵です。正直、これがドビュッシーのイメージと言われても、とても違和感があります。デュフィらしさは十分に見られる作品ですから、それはそれで結構ですけどね。そもそも音楽を絵画であらわす試みは誰も十分に成功しているような気はしません。


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これは《ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ》です。1952年の作品でパリ国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)所蔵です。これも素晴らしいデュフィ作品ですが、これがバッハとはね・・・。ヴァイオリンが描いてあるところを見ると、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ(ソナタ)を連想しますが、それならば、静謐さを描いてほしいところです。赤い色調は違和感があります。題名が《ヴァイオリンのある静物》だけなら、いいのにね。


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どうも彼の思考と作品はちぐはぐになってしまうことも多いように感じました。デュフィらしい画風で素直に描き込んだ作品はなかなか素晴らしいので、残念にも感じてしまうところ、大でした。

ネガティブな評価を書きましたが、saraiはデュフィの作品はそれでも好きなんですよ。美しい色彩感には舌を巻いてしまいます。今回のデュフィ展でも美しさを堪能した作品は多かったんです。デュフィ展全体を通すと、少し、がっかりという感じに思えてしまったのが実感でしたが、sarai好みの作品10点ほどを並べた展示会ならば、大感激だったかもしれませんでした。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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