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ロベルト・ホル《冬の旅》@上大岡ひまわりの郷 2015.5.24

シューベルトの《冬の旅》を生で聴くのは初めてです。それも小さなホールのかぶりつきで聴けたのですから、とても満足。ロベルト・ホルも生で聴くのは初めてでしたが、いかにもワーグナー歌手らしい地力のある渋い声。まるでマイスタージンガーの中でハンス・ザックスが《冬の旅》を歌っているような不思議な歌唱でしたが、歌曲集後半の歌は素晴らしい充実度でした。特に最後の2曲、「幻の太陽」Die Nebensonnenと「辻音楽師」Der Leiermanはしみじみと聴き入ってしまいました。ピアノのみどり・オルトナーも出過ぎず、引っ込み過ぎずの絶妙な演奏でシューベルトの歌曲の素晴らしさを感じさせてくれました。

このリサイタルのために久々にディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの歌う《冬の旅》を2つ聴いてみました。
最初は映像版です。フィッシャー=ディースカウが65才の老境にはいった歌唱。特に後半の実に深い表現に感銘を受けました。ペライアのピアノも見事です。

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、マレイ・ペライア 1990年録音

次は若き日のフィッシャー=ディースカウ。saraiが初めて《冬の旅》を聴いたのがこの録音でした。37才のディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの美声にほれぼれします。この素晴らしいドイツ語を聴いて、驚愕した思い出が蘇ります。完璧という言葉はこの歌唱にこそふさわしいものです。数十年ぶりに聴き直しましたがまだ10代だったsaraiが夢中になって聴いていたことをまざまざと思い出します。その頃は前半の8曲(LPレコードの第1面)がお気に入りでした。50年近く経った今、後半の歌唱の素晴らしさにも気が付きました。

 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーア 1962年録音

ホッターの歌った《冬の旅》も素晴らしいですが、saraiにとってはフィッシャー=ディースカウの歌唱が永遠の《冬の旅》です。

今日のプログラムを紹介しておきます。

  バス・バリトン:ロベルト・ホルRobert Holl
  ピアノ:みどり・オルトナーMidori Ortner

  シューベルト:連作歌曲集「冬の旅」Winterreise D.911

もちろん、アンコールはなしです。終演後のサイン会は長蛇の列になっていました。誰もが満足したリサイタルだったのですね。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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06/18 12:46 sarai

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コメント、ありがとうございます。正直、もう2年ほど前のコンサートなので、詳細は覚えておらず、自分の文章を信じるしかないのですが、生演奏とテレビで

05/13 23:47 sarai
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