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シマノフスキー、エロイカ(マーラー版):カヴァコス+ユロフスキ+ウィーン交響楽団@ウィーン楽友協会 2014.6.14

カヴァコスのヴァイオリンでシマノフスキーのヴァイオリン協奏曲第2番。民俗色豊かな曲を野性味あふれる演奏。シマノフスキーがバルトークと比べられることが多いのもよく納得できます。こうなるとカヴァコスのヴァイオリンでバルトークも聴いてみたくなりますね。

休憩後はユロフスキお得意のマーラー版のベートーヴェン交響曲第3番《エロイカ》。マーラーがアレンジメントしたベートーヴェンの交響曲では第9番がホルン8本という構成の面白さのせいか、演奏頻度も多く、CDも出ていますが、エロイカのCDは入手できませんでした。最近はユロフスキがよく演奏しているようです。気になって、ホルンの数を数えてみると6本でした。通常は3本ですから、倍増していますね。第3楽章のトリオのホルン3重奏が充実した響きになっているようにも感じましたが、そのほかはマーラー版だから、どうのっていう印象は特に感じませんでした。それよりも、テンポがゆったりで、最近はやりの高速演奏とは一線を画し、重厚な演奏になっていました。また、ウィーン交響楽団の響きが充実し、ちょっとしたアンサンブルの乱れを別にすると、往年のベルリン・フィルの切れ込み鋭い演奏を思い出しました。往年のベルリン・フィルの響きというのは、フルトヴェングラーが指揮をしたベルリン・フィルのことで、これは最大の賛辞を送っているんです。もちろん、ユロフスキの演奏スタイルがフルトヴェングラーに似ていると言っているわけではありません。ユロフスキは独自のスタイルでロマン的な演奏を聴かせてくれました。最近はティーレマンなど、重厚なスタイルで、最近のすっきりしたスタイリッシュな演奏の逆を行く演奏もありますが、ユロフスキもティーレマンとはスタイルは異なりますが、ある意味、古いタイプの演奏スタイルです。まあ、聴いていて、中身がある演奏で、充実した響きに魅了されました。ユロフスキのベートーヴェンもこれから注目です。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:ウラディーミル・ユロフスキ
  ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス
  管弦楽:ウィーン交響楽団


  ベートーヴェン:コリオラン序曲 ハ短調 Op.62
  シマノフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.61
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より「ガボット」

   《休憩》

  ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55《エロイカ》

最初のコリオラン序曲から、ウィーン交響楽団の響きが切れ味鋭い美しさで好調であることが分かります。久々にこの曲を聴いたような気がしますが、なかなか、素晴らしい演奏にじっと聴き入りました。メロディーラインの美しさが光る演奏でした。

次はシマノフスキーのヴァイオリン協奏曲第2番です。第1番の幽玄さに比べると、もっと民俗的な色合いが強く感じます。カヴァコスのヴァイオリンは単音ではそれほど美しさを感じませんが、重音のはいる部分では野性味あふれる演奏で迫力を増します。響きの美しさではなく、突っ込んだ表現で音楽を演奏するタイプ。saraiとしては、ヒラリー・ハーンや庄司紗矢香などの透明感のある響きのヴァイオリンのほうが好きというのが本音です。それを実感させてくれたのが、アンコール曲のバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータです。ヒラリーのヴァイオリンで何度もこの曲を聴いていますが、好みはやはり、ヒラリーです。あのピュアーな響きはたまりません。誤解のないように言うと、カヴァコスも素晴らしい演奏だったんですが、高いレベルでの好みの問題なんです。

休憩後のエロイカについては前述した通りです。まるでベルリン・フィルの演奏を聴いたような感じ。凄く満足した演奏でした。ウィーン・フィルの柔らかい響きとは対極にあるような響き。同じ街で、こういうタイプの異なる高い水準のオーケストラがあるのは幸せでしょうね。





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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
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