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シューマン、ベルク、ストラヴィンスキー、ブラームス:ウィーン放送交響楽団@ウィーン楽友協会 2014.6.13

楽趣極まれりの感に浸ったコンサートでした。1曲ごとについ口から出てくる言葉は「うーん、いいねえ!」。
ウィーン放送交響楽団は来日コンサートでは必ず名曲コンサートをやりますが、お膝元のウィーンでは、実に凝った内容のプログラムです。こんなに多彩な曲をやってもいいのって感じで、音楽ファンにとってとても嬉しい内容が詰まっています。しかも素晴らしく高い水準の演奏を聴かせてくれました。特にベルクのヴァイオリン協奏曲では際立った演奏技術で魅了してくれました。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  指揮:コルネリウス・マイスター
  ソプラノ:Jelena Widmann
  ソプラノ:Melissa Petit
  メゾソプラノ:Katrin Wundsam
  メゾソプラノ:Dorottya Lang
  テノール:Andrew Staples
  バリトン:Michael Nagy
  ヴァイオリン:ルノー・カプソン
  ピアノ:Barbara Moser
  ピアノ:Kit Armstrong
  ピアノ:Ingrid Marsoner
  ピアノ:Andrej Kasik
  合唱:ウィーン楽友協会合唱団
  管弦楽:ウィーン放送交響楽団


  シューマン:ミニヨンのためのレクイエム
  ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
   《アンコール》グルック:精霊の踊り 「オルフェオとエウリディーチェ」から(ヴァイオリン独奏版)

   《休憩》

  ストラヴィンスキー:バレエ・カンタータ《結婚》
  ブラームス:愛の歌 Op.52から、1,2,4,6,5,11,8,9 Op.65から、9

最初のシューマンの《ミニヨンのためのレクイエム》はソプラノ2人、メゾソプラノ(アルト)2人、バリトンの5人の独唱とオーケストラ、合唱という規模の大きな曲です。題名はレクイエムとなっていますが、宗教曲のレクイエムではなく、ゲーテの《ヴィルヘルム・マイスターの修行時代》の中で少女ミニヨンが死に、その葬式で歌われる歌の歌詞をテキストにした歌曲です。当然、歌詞はドイツ語。シューマン晩年の作品ですが、シューマンらしい詩情にあふれた美しい曲。シューマン好きにはたまらない音楽を見事な演奏で聴かせてくれました。もちろん、生では初聴きです。聴いていると、これこそシューマンの最高傑作であると思わせられます。それほど、シューマンの音楽の美しさを表出した傑出した演奏でした。若手の独唱陣の初々しい歌唱がシューマンらしさを醸し出していたとも言えます。永遠の青年、シューマンを彷彿とさせる演奏に惜しみない拍手を送りました。

次はベルクのヴァイオリン協奏曲。特に好きな曲です。副題(本当は献辞)のある天使とはアルマ・マーラーの娘マノン。19歳の若さで亡くなったマノンに捧げた曲です。昨年、アルマとマノンのお墓の前で、この曲を聴いたことを思い出します。また、この曲はベルクが完成させた最後の曲でもありますが、初演されたのはベルクの死後で、この曲を委嘱したヴァイオリニストのルイス・クラスナーが演奏しました。その約20日後に英国で初演されますが、やはり、クラスナーのヴァイオリンで指揮はベルクの盟友ウェーベルンでした。このときのライヴ録音はCD化されており、ピアニストの内田光子が対談でおおいに評価しています。非常に興味をそそられて、先日、このCDを入手し、聴いてみましたが、初演当時の雰囲気と素晴らしいヴァイオリンの響きに驚嘆しました。そして、今日の演奏ですが、初演当時の瑞々しさも感じられる素晴らしい演奏。カプソンのヴァイオリンの美しい響きと熱演には感動しました。そして、それ以上にウィーン放送交響楽団の素晴らしい演奏に感銘を受けました。開演前から、コンサートマスターが繰り返し、ドッペルゲンガーの部分を練習していましたが、その部分も美しい演奏。全体として、ベルクらしい抒情はもちろん、熱く迫力にも満ちた演奏は、この曲が20世紀を代表する名曲であることを認識させてくれました。
カプソンのアンコール曲は《精霊の踊り》。単純明快な曲ですが、実に美しい響きで完璧な演奏。恐れ入りました。

ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ《結婚》はCDで聴くと、同じ旋律の繰り返しが続き、とりとめのないようにも感じますが、実演では、独唱の4人が難しいアクロバット的な歌唱でスリリングな演奏。スポーツのような爽快感さえ感じさせてくれて、退屈するところのない音楽であることが分かります。見事な演奏でした。

最後はブラームスの《愛の歌》。これまでの3曲で興奮した神経を静めてくれる美しいワルツでした。

しかし、よくもまあ、こんなに合唱や独唱などを交えた大変な曲をプログラムに並べ、しかも素晴らしい出来での演奏、ウィーンならではですね。指揮のマイスターはますます腕を上げたようです。
今日もまた大満足のコンサートでした。

明日からの土曜、日曜はダブルヘッダーでウィーン・フィルなどを聴きます。楽しみ!!





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