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音楽も演出も極上:オペラ《フィガロの結婚》@フランダース・オペラ 2015.6.30

ベルギーで音楽を何も聴かないのも何だと、お友達に教えられたゲントのフランダース・オペラ(フラームス・オペラ?)の公演です。今日はブリュッセルのモネ劇場でもラフマニノフのオペラをやっていますが、両方を秤にかけて、指揮者がバロックの名手マクリーシュだということに魅力を感じて、このオペラを選択。結果は大当たり。素晴らしいフィガロが聴けました。

まず、あの有名な序曲が快速で始まり、若干のアンサンブルの乱れがあり、あれっと思いましたが、さほどのことはありません。それよりもピリオド奏法のオーケストラだったことにびっくり。でも、よく考えてみれば、指揮がマクリーシュなので当たり前ですね。一昨年、バーゼルでフィガロを聴いたときもピリオド奏法でした。ヨーロッパのオペラハウスではモーツァルトのオペラもピリオド奏法がおおはやりなんですね。バーゼルのオーケストラは若いメンバーでしたが、このフランダース・オペラはベテラン揃い。オーケストラの演奏はそこそこですが、マクリーシュの職人肌の指揮が見事です。去年、都響を指揮したときと比べて、まさにホームグラウンドでいきいきと目配りの利いた指揮ぶりです。

歌手は全員、よく声が出ていて、よかったんですが、特に演技が素晴らしい。なかでもレシタティーボを歌うときの表情付けが全員、見事です。やり過ぎの感もなくはないのですが、まあ、喜劇仕立てのオペラ(オペラ・ブッファ)ですから、これでいいと思います。スザンナ役のウェステンドルプは若くて綺麗でオーバーアクションが似合っていました。これほどの演技を引き出したのは演出家の功績でしょう。オーソドックスながら、素晴らしい演出でした。舞台装置も温室のような感じの綺麗なものを幕ごとに舞台奥に拡張していくという見事なもの。意外に奥行のある舞台に感心していたら、目の錯覚をうまく利用したものでした。これもバロック風ですね。

歌唱では何といって、伯爵夫人を歌ったユリア・クライターの豊かな声の響きに魅了されました。第3幕のアリアの美しいこと、こんな美しいアリアは聴いたこと、ありません。あのフリットリだって、これほどは歌えませんでしたからね。

終幕の伯爵が夫人に許しを請う素晴らしい音楽。saraiの大好きなシーンですが、マクリーシュはここで長いパウゼを入れ、思い入れたっぷりに伯爵に歌わせます。まさに音楽のピーク。伯爵夫人の優しい許しの歌は感動なしには聴けません。そして、見事なテンポの切り換えで最後の音楽に突入。これぞ、音楽の楽しみの極みです。高揚感たっぷりにフィナーレ。圧巻のフィガロでした。

プログラムとキャストは以下です。

  指揮:ポール・マクリーシュPaul McCreesh
  演出:Guy Joosten
  管弦楽:フランダース・オペラ管弦楽団Symfonisch Orkest Opera Vlaanderen

  モーツァルト:オペラ《フィガロの結婚》

  アルマヴィーヴァ伯爵:Levente Molnár
  伯爵夫人:ユリア・クライターJulia Kleiter
  フィガロ:David Bizic
  スザンナ:Julia Westendorp
  ケルビーノ:Renata Pokupić
  バルトロ:Peter Kalman
  マルチェリーナ:Kathleen Wilkinson
  ドン・バジリオ:Adam Smith
  アントニオ:Piet Vansichen
  バルバリーナ:Aylin Sezer


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ジャンル : 音楽

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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