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絶望的な暗さに慄然!ポリャンスキーのチャイコフスキー@横浜みなとみらいホール 2015.7.12

ヨーロッパで音楽三昧して、一昨日に帰国して、早速のコンサート。音楽からは離れられません。

今日のコンサートはチャイコフスキーの後期の交響曲3曲というヴォリュームたっぷりの内容でしたが、最後の交響曲第6番ロ短調「悲愴」について、コメントするだけで十分でしょう。それだけ、その第6番に照準を合わせた演奏でしたし、聴いているsarai自身も集中力を持って、第6番を聴くことができました。

その曲の開始はかすかな暗闇の淵から一筋の光を求めるか如きのあえぎのような響きです。どこまでも沈み込むような響きが続きます。次第に切迫した響きが高まっていきます。激しい高まりになりますが、実に暗い響きに慄然とします。人によっては爆演と感じるかもしれませんが、saraiにはロシアの厳しい冬を思わせる暗い響きを感じるのみです。このまま、暗い悲しみを湛えながら第1楽章を閉じます。第2楽章は美しい響きですが、ロシアの大地を思わせる重い響きでもあります。じっと何かに耐えながら、希望を抱こうとしますが、胸の奥底では空しい企てであることを承知しているかのようです。音楽だけはどこまでも美しく響いていきます。第3楽章は激しい気持ちの高まりを抑えきれずに次第に爆発していきます。凄い迫力ですが、底流には暗い気持ちが続いていることには変わりはありません。気持の高ぶりが頂点に達したとき。不意に第3楽章が終え、一瞬の間の後に悲痛な慟哭の響きが胸に突き刺さります。第4楽章の開始です。何と言う響きでしょう。人はこれほどの絶望に胸を引き裂かれなければならないのでしょうか。しかし、これは序章に過ぎませんでした。この悲痛な響きが続き、そして、短いゲネラルパウゼの後、さらなる慟哭が魂を揺さぶります。これには心が耐え切ることができません。暗い絶望感で深い闇の中に落ち込んでいくのみです。闇の中で暗い響きを聴き続けます。そして、低弦の下降音型が静かに消え去り、深い闇は閉じられます。その先には一筋の光もない虚無の世界。

ある意味、「悲愴」をストレートに表現した演奏だったかもしれません。しかし、これでは救いはどこにあるのでしょう。ロシアの深い闇を覗きこんでも、そこは無。マーラーだって、絶望の淵で必死に愛にすがろうともがきましたが、ここには救われない死があるのみ。

大変、インパクトのある「悲愴」の演奏でした。拍手ができないほどの強い感銘を受けました。ポリャンスキー、恐るべし!

今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ヴァレリー・ポリャンスキー
  管弦楽:ロシア国立交響楽団

  チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64

   《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74

アンコールはなし。もちろんです。指揮者のカーテンコールをしなかった聴衆には不満です。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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