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ザルツブルグ精霊降臨音楽祭:ロッシーニ_スターバト・マーテル@ザルツブルグ祝祭大劇場 2014.6.8

使い古された表現ではありますが、今日のコンサートは心が洗われるような清冽な演奏。オーケストラ、合唱、独唱すべてが充実した、大満足のコンサートでした。なかでも指揮のパッパーノの熟達して、熱のこもった音楽作りが一番、光っていました。
コンサート前は、4人の独唱者のうち、ガランチャ、ストヤノワ、ベチャワの3人がキャンセルし、演奏の質の低下が心配でしたが、結果として、ガランチャの穴が大きかったのは事実ですが、全体として、高いレベルの演奏に満足しました。
なかでも、唯一のオリジナルキャストだったアーウィン・シュロットが絶好調で素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。また、代役にたったソプラノのマリア・アグレスタという人は名前すら知らない人でしたが、自分の耳を疑うほどの美しい声の響きと表現力ですっかり魅了してくれました。

今日のプログラムとキャストは以下です。

  ジュゼッペ・ヴェルディ: リベラ・メLibera me(我を救い給え)
         「ロッシーニのためのレクイエム」のオリジナル版

  ジョアキーノ・ロッシーニ: スターバト・マーテルStabat Mater


  指揮:アントニオ・パッパーノ
  管弦楽:サンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団
  
  ソプラノ: マリア・アグレスタ
  メゾソプラノ: ソニア・ガナッシ
  テノール: ローレンス・ブラウンリー
  バリトン: アーウィン・シュロット

今日はロッシーニのスターバト・マーテル1曲のみのコンサートとばかり思っていたので、最初のヴェルディのリベラ・メであれっという感じ。しかし、それよりも、ソプラノのマリア・アグレスタのあまりにも素晴らしい歌唱に度肝を抜かれました。独唱者の顔の見えない席だったので、誰か凄い歌手が歌っているのかと想像するほどの際立って清冽な歌唱。もともと大好きなリベラ・メでもあり、いろんな大歌手のCDを聴いてきましたし、生でもルネ・フレミングの素晴らしい歌唱も聴きましたが、それらを上回るレベルの歌唱でした。感動の前に驚愕しました。今後、このマリア・アグレスタはマークしていく必要があります。後で経歴を調べると、2007年まではメゾ・ソプラノの歌手で、それからソプラノに転向し、1昨年あたりから、ブレークしてきている人です。道理で中音域が充実しているわけです。その上、高音域の澄み切った声の響きまで獲得しているのですから、オールマイティなソプラノ歌手として、期待されますね。
ところで、こののリベラ・メはヴェルディのレクイエムのなかの1曲ですが、実はロッシーニが1868年に亡くなったときにヴェルディが仲間の作曲家と協力して追悼のために作曲しようとした「ロッシーニのためのレクイエム」のヴェルディ担当分の曲がこのリベラ・メだったんです。結局、「ロッシーニのためのレクイエム」作曲は頓挫したので、後年、ヴェルディが作曲したレクイエムにこのリベラ・メを転用しました。今日演奏されたのは、当初の「ロッシーニのためのレクイエム」のために作曲されたリベラ・メのオリジナル版ということです。いつものレクイエムのリベラ・メとまったく同じように感じましたが、どこかに相違点があったのでしょう。今回のザルツブルグ精霊降臨音楽祭はロッシーニをテーマにしているので、あえて、このオリジナル版を演奏した模様です。

2曲目がようやく、ロッシーニのスターバト・マーテル。この曲は前述したように実に充実した内容でした。ヴェルディもリベラ・メの作曲にあたり、このスターバト・マーテルの影響を受けたのではないかと思うほど、曲想が近い感じです。
残念だったのはやはり、ガランチャが参加していれば、今日の演奏は完璧だっただろうと思ったことです。ソニア・ガナッシも名を知られた実力のある歌手ですが、安定した深い響きの声を聴くことはできませんでした。ローレンス・ブラウンリーはロッシーニに定評のあるテノールですが、線の細さは否めず、ベチャワならもっと迫力のある表現だったのではないだろうかと想像しました。しかし、それらを穴埋めするマリア・アグレスタとアーウィン・シュロットの歌唱があったので、全体としてはとても素晴らしい演奏だったと思います。




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