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ラインの旅:スイス編~ピカソ展@バーゼル市立美術館も見終わり、《風の花嫁》に告別

2013年4月16日火曜日@スイス・チューリッヒ~ヴィンタートゥール~バーゼル/9回目

バーゼル市立美術館で開催中のピカソ展を見てみます。膨大なピカソの作品が展示されています。それも優れた作品ばかりです。ここでは、このバーゼル市立美術館の所蔵作品だけをご紹介します。いつもは常設展示している作品です。

《アフィショナード:熱狂(The Aficionado(The Torredo))》です。1912年、ピカソ、31歳の作品です。これは素晴らしい絵です。ブラックの同系統の絵画とも似ていますが、シャープに感じます。


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《二人の兄弟(The Two Brothers)》です。1906年、ピカソ、25歳の作品です。スペインの山村ゴソルで描かれました。いわゆる「薔薇色の時代」の作品です。


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《テーブルの上のパンと果物の皿(Bread and Fruit Dish on a Table)》です。1908年~1909年、ピカソ、28歳頃の作品です。セザンヌの静物画も多視点の技法で描かれましたが、さらにそれをキュービズムに発展させていく過程の静物画に思えます。


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《座るアルルカン:画家サルバドーの肖像(Seated Harlequin)》です。1923年、ピカソ、42歳の作品です。ピカソはたびたび作風を変えていますが、この作品は1910年代後半から古典的表現に回帰した際のものです。アルルカンはイタリア喜劇の道化役ですが、ピカソも初期によく取り上げた題材でした。そして、ロシア・バレエ団(ディアギレフが主宰した団体で、ストラヴィンスキーの音楽でも知られています)の装飾を手がけてから(1919年の《三角帽子》や1920年の《プルチネルラ》が有名です)、ふたたび、このアルルカンの題材を多く取り上げるようになりました。初期のアルルカンはかげりを帯びていましたが、この時代は客観的な表現で描かれています。


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《セーヌ川河畔の女性たち:クールベにちなんで(Women on the Banks of the Seine(After Courbet))》です。1950年、ピカソ、69歳の作品です。ピカソは滞在していた南仏のヴァロリスでクールベの《セーヌ川河畔の女性たち(Women on the Banks of the Seine)》(1856年の作品)の複製画を見ます。この絵にインスピレーションを得て描いたのがこの作品です。構図はクールベの写実的な絵とまったく同じで、それをキュービズムで書き換えた腕前には驚嘆します。クールベの原画はここをクリックしてください。


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これでピカソ展も見終わり、バーゼル市立美術館の鑑賞は完了。
とりわけ、ホルバインのコレクションは充実し、《死せるキリスト》の迫力、そして、ベックリンのコレクション中、《死の島》は白眉です。ピカソのコレクションも素晴らしく、さらに開催中のピカソ展で、この美術館のコレクション以外の名画の数々も見られました。この美術館にいると、時を忘れてしまい、夜のオペラに備えるお昼寝は時間的に無理になってしまいました。しかし、それも後悔はありません。最後にもういちど、じっくりとココシュカの《風の花嫁》を鑑賞し直し、後ろ髪を引かれる思いで美術館を後にしました。最愛の恋人と別れるような寂しさです。


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美術館の横にはライン川が流れています。ライン川の旅の付録として、バーゼルの立派で美しいライン川を見ていきましょう。
ヴェットシュタイン橋Wettsteinbrückeの上からのライン川の眺めです。


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川の左側の岸辺には、バーゼルの大聖堂Basler Münsterの尖塔も見えています。


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前回の旅で乗ったライン川の渡しの小舟も、未だ健在で動いています。これで本当にライン川に別れを告げました。

この小散策を地図で確認しておきましょう。


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トラムに乗ってバーゼル駅に戻ります。この駅にもスーパーがあります。美味しそうなシュパーゲルも置いてあります。


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夕食用に暖かいお惣菜を用意しましょう。オペラ鑑賞後のワインのおつまみも調達です。
駅前のホテルに戻ります。駅前のホテルは便利です。


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ホテルで、軽く腹ごしらえをします。


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これはオペラ鑑賞後のワインのおつまみです。


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正装に着替えてバーゼル歌劇場に向かいます。トラムに乗って、すぐに到着。
トラムの6番か8番でBasel Theaterの停留所まで行きます。ルートを確認しておきましょう。


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バーゼル歌劇場は現代的な建物です。


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歌劇場の入り口は広い階段を上ったところです。


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入り口の正面に出ました。電光掲示板には、今日の公演《イドメネオ》が大きく表示されています。


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これが建物の内部です。内部も現代的な空間になっています。


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モーツァルトのオペラ《イドメネオ》を堪能しました。その詳細はここです。

ホテルに戻り、気持ちよく聴けたオペラの余韻に浸りながらワインを楽しみました。

明日はウィーンに移動します。観光モードは今日でおしまい。明日からは音楽三昧の日々が続きます。


次回を読む:14日目:バーゼル~チューリッヒ~ウィーン

前回を読む:12日目-2:シュタイン・アム・ライン~ラインの滝




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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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