旅はオランダから~シュテーデル美術館のコンテンポラリー・アート
引き続き、シュテーデル美術館の収蔵作品の鑑賞です。コンテンポラリー・アートの作品をざっと見ます。
この美術館の外側は古めかしい建物ですが、2011年に大改修を行い、展示空間が広くなったそうです。コンテンポラリー・アートは新しく増床された地下部分に展示されています。コンテンポラリー・アートにふさわしいモダンな空間になっています。

膨大な作品が展示されていて、ゆっくりと見て回る余裕はないので、目に止まった作品をランダムにピックアップしていきます。
ジャン・アルプ(ドイツ名ハンス・アルプ)の彫像です。アルプの彫像は今まで、ちゃんと見た記憶がありませんが、彫像も彼の絵画と同じスタイルで、ユーモアをたたえた明るさが妙な魅力を発散しています。

すぐそばに、パブロ・ピカソの『クラウチング・ウーマン』があります。ピカソでは、よくある構図の作品ですが、モノトーンに近い抑えた色彩が美しいですね。

ジャン・デュビュッフェの『タピエ公』です。タピエ公というのは、デュビュッフェなどの新しい絵画グループを支えたフランスの評論家のミシェル・タピエのことではないかと思います。タピエに敬意を捧げた1枚ですね。デュビュッフェの個性がよく表れた作品です。

アルベルト・ジャコメッティの『婦人、壊れた肩』です。典型的なスタイルの彫像ですね。

次もアルベルト・ジャコメッティの『大きな座っている裸婦』です。あまり見ることのない彼の絵画作品です。日本人の矢内原をモデルにした作品を思わせる構図・スタイルですね。ぎりぎりまで切り詰めた禁欲的な芸術。音楽のミニマル・ミュージックを連想してしまいます。

キルヒナーがないなと思っていたら、こんなところにありました。
エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーの『盥(たらい)周りの二人の女 (Zwei Frauen am Waschbecken)』です。キルヒナーもナチスに《頽廃芸術》の烙印を押された一人です。彼はそのショックから立ち直ることができず、ピストル自殺を遂げます。悲しい歴史です。
この作品は色彩的にはキルヒナーらしい作品ですが、実にシンプルに描かれたモダンな作風に強い感銘を受けます。先進的な画家であったことを再認識させられました。

アンディ・ウォーホルの『ゲーテ』です。色んな色の組み合わせの作品があります。この作品がここにあるのは、ここフランクフルトがゲーテの生地で、この作品のもととなった有名なゲーテの肖像画はシュテーデル美術館の所蔵だからでしょう。

実際、アンディ・ウォーホルがここに来館して、ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバインの描いた『ローマのカンパーニャにおけるゲーテ (Goethe in der romischen Campagna)』の前で撮った写真が展示されていました。

このあたりで、シュテーデル美術館の作品鑑賞を切り上げ、アンディ・ウォーホルも敬意を表したゲーテの生家を訪問してみましょう。
美術館を出ると、なんと暖かそうな陽射しが・・・どんどん気温が上がりそうな気配です。いいですねえ。美術館の前のシュウマンカイの通りはドイツには珍しく、プラタナスの並木が綺麗です。

次は向かうゲーテハウスへは地下鉄に乗って移動しましょう。マイン川越しには晴天のもと、マインハッタンの高層ビル群が見えています。

地下鉄の駅がどうしても見つからず、結局、美術館前のバス停から、バスで駅に戻ることにしました。やがて、46番のバスがやってきました。

また、バスの車窓から、街並みを眺めているうちにフランクフルト中央駅の駅前バスターミナルに到着。

駅前から、今日、3度目の出発です。今度はお昼ですが、まだまだ、空気が寒いままです。

今度は徒歩はやめて、トラムで行くことにします。11番のトラムに乗ります。

トラムの車内は結構、混み合っていますが、何とか座れました。それなりに疲れています。

レーマー広場前の停留所でトラムを下ります。
シュテーデル美術館から中央駅経由でレーマー広場までの移動を地図で確認しておきましょう。

レーマー広場前へも今日は2度目です。パウルス教会の前の広場には、朝は並んでいなかったテーブルが置かれ、オープンテラスのカフェになっています。好天ですからね。寒いけど・・・

朝は閑散としていましたが、さすがに観光の中心地です。人で賑わうようになってきました。

ここからはゲーテハウスはすぐです。前回のフランクフルト訪問時もこのあたりを散策したので、迷わずに行けそうです。
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