旅はオランダから~デルフトの散策・・・フェルメールの足跡を尋ねて(後編)
フェルメールの足跡を尋ねて、デルフトの街を歩き回ります。旧教会を出て、運河沿いにマルクト広場の方に戻ります。運河沿いに美味しそうなファストフード(オランダ風)のお店があり気をそそられますが、ここはぐっと我慢。

先程訪れたツーリスト・インフォメーションの裏側に出ました。ここを起点に散策を開始します。

フォルダース運河Voldersgracht沿いを歩きます。

1番目はフェルメールの生家です。生家は25/26番地です。中を見ることはできません。当時は父の営むデ・フリーヘン・デ・フォス(飛ぶ狐)という居酒屋兼宿屋でした。

フォルダース運河を渡って、マルクト広場へ。

マルクト広場の北東の角にハウス・メヘレンがあります。これが2番目です。この場所にフェルメールが9歳のときに一家が転居しました。当時の建物は残っていません。この建物の壁に「ここにフェルメールが生まれた。」という記念碑がはめ込まれていますが、もちろん誤りです。

3番目は新教会ですが、ここは既に訪問済みです。マルクト広場を出て、ニューウェ・ランゲンダイク通りNieuwe Langendijkを歩き、《小路》が描かれた家に行きます。絵に描かれたような家はありませんが、どうもこの花屋さんがその建物らしいです。いずれにせよ、既に家に面した運河は埋め立てられ、様子はすっかり変わっています。ちょっと、これは自信がありません。花屋の人にうかがうと、ここだということですけどね。これが4番目。

次の場所に向かうために、大きな運河に沿った散策路Oranje Plantageを歩きます。美しい風景です。

先の方に城門Oostpoortが見えてきました。これが5番目のポイントです。

城門近くの運河縁は綺麗な緑地になっていて、水鳥が遊んでいます。

これが城門です。フェルメールの《デルフトの眺望》にも城門が描かれています。描かれた当時はその場所(デ・コルグ波止場)にも城門があったそうですが、今は残っていません。この城門はフェルメールの描いた城門ではありませんが、これがデルフトに残された唯一の城門です。当時の面影が感じられます。

城門から運河を渡る橋はハネ橋になっています。

次の6番目以降のポイントはいったんパスして、ここからは《デルフトの眺望》が描かれたという場所(デ・コルグ波止場)に向かうことにします。
運河沿いに歩いていくと、途中の橋もハネ橋です。これもオランダの風物ですね。

デ・コルグ波止場の近くまで歩いてきました。ずい分歩きました。もうすぐでしょう。水路も広くなってきました。

ところが、ここまで来て、運河の反対側に出てしまったことに気が付きました。運河を渡る橋はありません。波止場になっていて、水路がとても広くて、橋がないんです。がっくりして、とぼとぼと元来た道を戻ります。ショック!
それでも、5分ほどで運河を渡ることができました。

運河を巡りながら、デ・コルグ波止場をめざします。

途中、道路工事中で迂回させられたりしながら、ようやくデ・コルグ波止場に到着。かなりヘトヘト状態です。
街の外れまでかなりの距離を歩いて、《デルフトの眺望》が描かれたという場所から街を眺めます。なるほど、これは絵になる風景です。城門の外側の運河を挟んだ波止場から眺めたデルフトの街の風景だったんですね。すっかり、デルフトの街の真ん中の風景だと勘違いしていました。

天才フェルメールの筆にかかると、この風景がさらなる進化を遂げ、素晴らしい芸術作品に昇華したこともよく分かります。風景の再構成はまるでコラージュのようです。決してリアルな絵画ではなく、天才芸術家の頭の中で美を構築したものです。フェルメールの凄さを改めて痛感しました。これがフェルメールの《デルフトの眺望》です。

しばらくその景色に見とれて過ごしました。ここには誰もいません。我々だけの風景です。

岸辺に繋留されている船は《デルフトの眺望》の絵に合わせるためのものでしょうか?

これで、すっかりデルフト散策に満足しました。
また、街の中心のほうに戻りましょう。運河沿いに歩きます。

8番目のポイントのフェルメールの行きつけのパン屋、ディー・フルデン・コップ(黄金の頭)を見ることができました。生活の苦しかったフェルメールはつけでパンを買って、何とか生活できたそうです。フェルメールが死亡すると、このパン屋への借りを返すために絵画2点を渡したそうです。それが残っていれば、莫大な資産になったんでしょうが・・・。この絵はしばらく、お店に掛かっていたそうです。

クロム通りKromstraatを通って中心地に抜けていきます。

これが7番目のポイントのフェルメールの住居のあったところです。現在は大きな教会になっています。マリア・ファン・イェッセ教会Maria van Jessekerkです。

壁には、フェルメールの住居についての説明板が埋め込まれています。

ここで、フェルメールの珠玉の作品群が生まれたんですね。感慨一入です。
フェルメールの足跡巡りをしめくくるに最高の場所でしょう。
まだ、残るところ、
6番目:父の生家
9番目:プリンセスホフ(フェルメール時代のデルフトの画家の作品を展示)
の2つがありますが、まあ、いいでしょう。
10番目の旧教会は訪問済みです。
番外のフェルメール・センターも訪問済みですが、ちょっとのぞいてみると既に閉館していました。

結局、10個のポイントと番外の2つ(フェルメール・センター、《デルフトの眺望》を描いたデ・コルグ波止場)は、2つを残して見て回ることができました。あ~、疲れた! でも、凄い満足感に浸っています。
フェルメールの足跡を尋ねる散策ルートを地図で確認しておきましょう。

この後はディナーです。
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