オランダ・ライン川・ウィーンの旅~バーゼル市立美術館の至宝:ココシュカ《風の花嫁》は最高の名画!
次はチューリッヒからバーゼルに移動します。インターシティ(IC)で1時間です。
まずはバーゼル市立美術館に駆けつけます。とるものもとりあえず、ココシュカ《風の花嫁》に再会します。以前と展示場所が変わっていて、ちょっと迷いましたが、美術館のスタッフのかたから場所を教えてもらい、急行します。
《風の花嫁》に対峙し、感動します。saraiにとって、世界最高の名画です。深い青を基調にアルプスの風景を背景に、ココシュカ自身の内面を見つめるか如くの黙想、そして、彼にそっと寄り添う美しいアルマは目を閉じています。この絵が描かれたときには、アルマ・マーラーは既にココシュカのもとを去り、この絵に登場するアルマはココシュカの忘れがたい思いが想像した産物でしか、ありません。でも、それだけに、この絵画は深い感情に覆われて、愛の挫折、悲しみ、捨てがたい慕情、すべてがないまぜになって、saraiの心を強く打ちます。時の経つのを忘れて、《風の花嫁》に見入ってしまいました。

この1枚を見るだけでも、何度も再訪したい美術館です。ナチスに退廃芸術とみなされ、処分されかねないところを、バーゼル市民が救った絵画です。本当にバーゼル市民には感謝したいし、尊敬の念も禁じ得ません。この絵は、ココシュカの熱い思いを示すかのように、非常に絵具が厚塗りです。しかもとても大きな絵画です。したがって、この絵を持ち出すのは不可能で、いわば、門外不出です。この絵を鑑賞するためには、バーゼルを訪れる必要があります。そして、その価値は十分あり、訪れる人は必ず、報われます。
バーゼル市立美術館には、この《風の花嫁》以外にも、ナチスの退廃芸術を救い出した名画の数々があり、こんな見応えのある美術館はそうはありません。クレー、ミロなど、挙げたら、きりがありません。とりわけ、ホルバインのコレクションは充実し、《死せるキリスト》の迫力、そして、ベックリンのコレクション中、《死の島》は白眉です。ピカソのコレクションも素晴らしいですが、ちょうど、ピカソ展も開催中で、名画の数々も見られました。この美術館にいると、時を忘れてしまい、夜のオペラに備えるお昼寝は無理になってしまいました。しかし、それも後悔はありません。最後にもういちど、じっくりと《風の花嫁》を鑑賞し直し、後ろ髪を引かれる思いで美術館を後にしました。
この美術館は特集記事をアップする予定なので、ご期待くださいね。
その後、ライン川の旅の付録で、バーゼルの立派で美しいライン川を見て、本当にライン川に別れを告げました。

夜はバーゼル歌劇場でモーツァルトのオペラ《イドメネオ》を聴き、大変、堪能しました。その詳細は別記事でアップ済です。
明日はウィーンに移動し、音楽三昧の日々が続きます。
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