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オランダ・ライン川・ウィーンの旅~アッター湖は芸術創造の原点・・・マーラーとクリムト

バート・イシュルでは、残念続きでしたが、何と今朝も雨にたたられます。小雨も何のその、傘もささずに駅に向かいます。次は予定変更して、グムンデンで途中下車。古風なトラムに乗って、グムンデンの街に行き、そこから歩いてトラウン湖の湖上のオルト城を訪れました。曇ってはいましたが、トラウン湖の美しさに触れることができました。

次はいよいよ、ザルツカンマーグートのローカル線カンマー鉄道でアッター湖に向かいます。途中、ちょっとしたミスもおかしましたが、無事にアッター湖畔のカンマーに到着。駅前で出発寸前のバスに飛び乗って、マーラーゆかりの地、アッター湖畔のシュタインバッハで下車。バス停の前がマーラーが家族や友人達と4年の間、夏の休暇を過ごした家(今はホテル)です。そこから、道に迷いつつ、何とか、マーラーの作曲小屋を見つけました。湖畔にぽつんと立つ小屋ですが、周りの景色はとても素晴らしい。こんな景色に囲まれて、よく、作曲活動に没頭できるものだと感心します。ここでマーラーは交響曲第1番の改訂、第2番と第3番、そして、歌曲集《子供の不思議な角笛》の作曲を行いました。1893年からの4年で、当時はマーラーはハンブルグ歌劇場の指揮をしていました。結構、遠くから来ていたんですね。この作曲小屋の前で、アッター湖を眺めながら、持参したIPODでフォン・オッターの歌う《子供の不思議な角笛》を聴き、感慨にふけるsaraiでした。フォン・オッターのしみじみとした歌声がアッター湖の自然の中に溶け込んでいきます。


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今回の旅のフィナーレを飾る感動の体験です。1時間ほどの滞在時間があっという間に過ぎていきます。このアッター湖畔に着くと、今までの曇り空から一転して、青空が広がります。まるで奇跡のようです。saraiの思いを天が感じ取ってくれたのでしょうか。

また、バスでカンマーに戻り、今度はクリムトです。湖上に突き出たカンマー城はクリムトが何度も描いた題材です。特にカンマー城前の並木道はクリムトの絵画を彷彿とさせます。


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ここを起点に《クリムトの道》が整備されています。アッター湖の湖畔をゆっくりと散策。クリムトは50枚ほどの風景画(カンバスが真四角なことが特徴)を描いていますが、ほとんどはこのアッター湖で描きました。彼は湖面にボートを浮かべ、そこからの景色を好んで描いています。したがって、絵にはアッター湖の水面がよく登場します。実際のアッター湖の湖面を見て、まさにクリムトの絵の世界そのものだと感じました。緑色がかった湖面、少し、水蒸気が上がり、靄った湖面、軽いさざ波の立った湖面、すべてにクリムトの筆の跡を感じ入りました。湖畔の散策の末、今日の宿、リッツベルガー・ケラーに到着。クリムトも滞在し、この宿も絵に描いています。最近、サザビーズのオークションでこの絵は高額で売れたそうです。この宿の船着き場から、クリムトが恋人のエミリー・フレーゲとともにボートに乗り込む写真がレオポルド美術館に展示されていたことを思い出します。宿のオーナーの女性のご厚意で宿の船着き場に入れてもらいました。もちろん、当時の船着き場とは異なるでしょうが、雰囲気たっぷりです。対岸には、カンマー城が夕日を受けて、白く輝いています。


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クリムトは1900年から1916年にかけて定期的にアッター湖をエミリー・フレーゲとともに訪れていたそうです。マーラーがアッター湖を訪れていた4年後からですから、マーラーとクリムトがアッター湖畔でばったりという夢のような機会はなかったようですね。しかし、ほぼ、同じ時期にウィーンを代表する大芸術家の2人がこのアッター湖を訪れていたのは偶然ではないでしょう。ザルツカンマーグートでも、あまり、観光客の入り込まない閑静な地で落ち着いた芸術活動を展開したのでしょうし、やはり、鋭い感性の2人が選択した地はそれなりに芸術創造の糧になる何かがあったのでしょう。

saraiは今、宿の窓から見える真っ暗なアッター湖を眺めながら、尊敬する2人の芸術家に思いを馳せています。



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